こんにちは、みぎです。
ローレンス・カスダン監督『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』(1990年)を見ました。
ローレンス・カスダンというと、
ジョージ・ルーカス作品(『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)や
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)など)での脚本を担当したこと有名ですね。
自身でも監督をして、特に80~90年代はヒット作を連発していました。
私はまだそんなに本数を見ていませんが、
デビュー作の『白いドレスの女』(1981年)は正統派なファムファタールのノワールもので結構好きです。
(スティーブン・キング原作の迷作『ドリームキャッチャー』(2003年)も見てね!)
ちなみに息子のジェイク・カスダンは最近の『ジュマンジ』シリーズを監督しています。
脚本家としてキャリアを出発させたカスダンですが、今作はジョン・コストメイヤーが脚本を担当。
この人は調べてみると、映画は本作のみで主にテレビドラマで活躍されているようです。
浮気亭主を殺そうとしたのはいいが、それが並み外れた体力の男だったことから起こる大騒動を描くコメディ。製作はジェフリー・ルーソーとロン・モラー、監督は「偶然の旅行者」のローレンス・カスダン、脚本はジョン・コストメイヤー、撮影はオーウェン・ロイズマン、音楽はジェームズ・ホーナーが担当。出演はケビン・クライン、トレイシー・ウルマンほか。
出典:映画.com「殺したいほど アイ・ラヴ・ユー」
以下、ネタバレ感想
むむ、これはコーエン兄弟に影響を与えたのでは…!?
浮気ばかりする夫ジョーイ(ケビン・クライン)に
怒り心頭の妻ロザリー(トレイシー・ウルマン)は
他の女に奪われるよりはいっそ亡き者にしてしまおうと
あの手この手で殺そうとするもなかなか死なない…
という、笑えない状況のダークコメディなんです。
犯罪ダークコメディというのはコーエン兄弟のオハコですが、
何より冒頭に「これは実際に起きた出来事を元にしている」と
テロップが出てきます。
『ファーゴ』やないか。
コーエン兄弟監督作『ファーゴ』(1996年)も同じく冒頭に
「これは実際に起きた出来事を元にしている」と表示されます。
「こんな悲惨な話、本当にあったなんて…」と公開当時の観客は衝撃を受けたかもしれません。
が、これはハッタリで実際にはこんな事件がなかったそう。
『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』もなかなかの事件ですが実際にあったのでしょうか…?
軽く調べた限りでは元となる事件には辿り着けませんでした。
そして殺し屋コンビ。
ハーラン(ウィリアム・ハート)とマーロン(キアヌ・リーヴス)が
どうにも間抜けです。
常にラリっていてほとんど上の空。
実はプロの殺し屋でもなんでもない。
社会のはぐれ者には変わりはないが悪いふりをしているだけのジャンキーです。
犯行現場までタクシーで普通に来ちゃって突っ込まれる始末。
「音楽を爆音で鳴らせ。銃声が掻き消される。」なんて
なんとなく見知った知識でプロっぽく振る舞いますが、
いざ殺すとなると怖くなり逃げだしたり、
サイン入りの野球のバットに夢中になったり…。
思い切って銃を撃ってみるも死なず…(死んでない方がおかしい)。
ヘンテコ殺し屋コンビというのも『ファーゴ』に出てきますね。
コーエン兄弟の話ばかりじゃなく本作の話もしないとですね。
夫ジョーイ(ケビン・クライン)がほぼ不死身なんですよね。
闇夜にバットで殴られても、
大量の睡眠薬を飲まされても、
銃で頭部を撃たれても(掠っただけ?)、
胸部を撃たれても「しんどいな、ウイルスかな?横になろう」で済む超人ぶり。
浮気者不死身人間、ヘンテコ殺し屋コンビ、占い婆ちゃん、
つけ髭リバー・フェニックスなど
奇人変人のオンパレード。
でも完全なおバカコメディにならないあたりが上手いところ。
最初にしかっりとピザ屋を営む夫婦の日常、
夫の浮気者ぶりとそれでも信じる一途な妻、
人妻に片想いするイケメンバイト(リバー・フェニックス)と
細かな人間描写の積み重ねでドラマを魅せていきます。
また撮影監督が数々のニューシネマ期の作品を担当した
オーウェン・ロイズマンが手がけているのもあって
映像に味わいがあります。
そしてオチが面白い。
不死身すぎて殺せず、ついには犯行がバレて全員捕まります。
しかし、浮気した自分を殺したいほど愛してくれる妻に惚れ直した
夫ジョーイ(ケビン・クライン)は全員を保釈させます。
そして拘置所から出てくる妻を迎えて誓う。
「もう浮気はしない』
元鞘に戻ってハッピーエンド!
んなわけあるか。
犯罪ダークコメディってことでコーエン兄弟を感じていたら、
コーエン兄弟的な深みのある感じにはならず、
そのまま「あー、楽しかった」と終われるお気楽なコメディでした。
キャストが豪華ですね。
常連のケビン・クライン、ウィリアム・ハートだけでなく、
若手のリバー・フェニックスとキアヌ・リーブスも出ています。
カスダンが注目されていたのがわかります。
あと、まだケビン・クラインと結婚する前のフィービー・ケイツが
ケビンク・ラインにナンパされる役でも出ています。
(出会いはカスダン監督『再会の時』(1983年)のオーディションだそう)
ちなみにカスダン本人も出演しています。探してみてね。

…どうでもいいんですけど、
少年漫画・男性向け漫画にハーレムものってあるじゃないですか。
すこし優しくされただけで洗脳のようにヒロインが惚れていく展開。
そういうのにするにしてももう少し説得力必要じゃないかと思うんですが、
今作のケビン・クラインのナンパでの口説き方は相手をその気にさせる説得力がありましたね…笑


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