こんにちは、みぎです。
『クーデター』(2015年)を見ました。
ジョン・エリック・ドゥードル監督は全く知りませんでした。
代表作というと『REC:レック/ザ・クアランティン』(2008年)という
『REC:レック』のハリウッドリメイクを監督しているのですが、
待機作でマイケル・シャノン主演『カリガリ博士』のリメイクが控えているようです。
さてなぜ本作を見たかというと、
U-NEXTで配信期限が近かったからです。
いつも大体U-NEXTの配信期限順で選んでます。
というのもあるのですが、
以前XがTwitterとか呼ばれてた時代に
本作が午後のロードショーで放映されたことがあります。
その時は見逃したのですが、
当時のフォロワーさんが『クーデター』が
すごく面白いという話をしていたのを覚えていたからです。
海外赴任先でクーデターに巻き込まれた男のサバイバルを、オーウェン・ウィルソン&ピアース・ブロスナン共演で描いたスリラー。東南アジアの某国に支援事業のため妻と2人の娘を連れてやってきたジャック。しかし、到着した翌朝に国を転覆するクーデターが発生。政府の重役は殺害され、政府と外国人をターゲットにした容赦ない殺戮が始まる。言葉も通じず土地勘も全くない異国で、ジャックは必死で家族を守りながら逃走。その途中、危機一髪のところを謎の旅行者ハモンドに助けられたジャックは、敵か味方かわからないハモンドに先導されながら逃げ続けるが……。
出典:映画.com
以下ネタバレあり感想
ひえ~、ドキドキしたー!
この映画、東南アジアの某国でクーデターが起きて
仕事で赴任してきたジャック(オーウェン・ウィルソン)一家が巻き込まれてしまうという話。
一応「某国」ということになっていますが、見るからにタイですね。
実際タイでは21世紀に入ってからも
軍事クーデターが2回起きているようです。
そのような背景のある国でよく撮影できたな…
と思いますがそんなに政治色が強いというほどでもなく、
あくまでパニック映画であることが主眼のようで
政治的な内容は物語を展開するのに必要だからという感じで
メインのサバイバルのドキドキハラハラを楽しめました。
主人公ジャック(オーウェン・ウィルソン)は事業に失敗し
アメリカの水メジャー カーディフ社に再就職。
東南アジアに家族で赴任することになることから始まります。
事業の失敗で追い詰められていたせいか、
妻のアニー(レイク・ベル)にちゃんとした相談もなく赴任を決めてしまい、
幼い娘が二人もいるのに少しギクシャクしているようです。
そして飛行機で現れる謎の男ハモンド(ピアース・ブロスナン)。
昔二枚目だった俳優が年を経て怪しい男を演じるのっていいですよね。
ヒュー・グラントなんて最近はお茶目な怪しいおじさんしかやってないですが、
ピアース・ブロスナンはお茶目さよりも危なさが強い感じ。
到着して迎えが来ないしハモンド(ピアース・ブロスナン)御用達のタクシーに同乗させてもらいます。
これがなぜかケニー・ロジャース・キャブという、
アメリカのカントリー歌手ケニー・ロジャースのお顔が至るところにプリントされ
曲も流れていて、自称ケニー・ロジャース似の運転手が前も見ずに熱唱しながら運転するという。
これはちょっとどういうギャグかわかりませんでした笑
ドラマ『ザ・ボーイズ』でのビリー・ジョエル ネタだったり
ベテラン歌手はみんなが知っているというだけでネタになってしまうのでしょうか…?
というのはさておき、
ホテルに着くとジャック(オーウェン・ウィルソン)歓迎の顔写真付きの横断幕が掲げられています。
会社がどでかいこともありすごい扱い。
だけどテレビもつかないし、お湯は出ない、携帯は繋がらない。
到着早々嫌になっていると翌日には本題のクーデターが始まります。
これが外国人を狙ったクーデターで、誰であるかなんて関係なく
見つかったら殺されてしまいます。
言葉が通じない、土地勘も一切ない、
頼れる人も知り合いもいない、携帯は通じない。
誰がクーデター参加者で誰が一般人なのかわからない。
なぜ襲ってくるかもわからない。
ここからのストーリーは家族を守って逃げるのみです。
幼い娘を抱えて家族4人でホテル内を逃げます。
ホテルの従業員も外国人を守る仲間と見做されたのか見境なく殺されます。
この映画、出会ったら、見つかったら即攻撃なので本当に緊張感がすごいです。
ジャック(オーウェン・ウィルソン)は水道関係のエンジニアで
わかりやすく腕っ節が強い感じではありません。
しかし娘を守るため、娘を抱えて廊下を走り抜け階段を駆け上がり
ギリギリで屋上まで逃げることができます。
屋上に避難したホテルの外国人客たち。
あとは救助を祈るしかないのか、というところで
ヘリがやってきます。
しかしそれはクーデター側のヘリで無差別に銃撃をしていきます。
この映画、本当に生き延びられるかどうかが運でしかなく
どう転ぶかわかりません。
そんな中でもジャック(オーウェン・ウィルソン)は、
家族連れな上に、自分が家族をこの国に連れてきたということもあり
「敵の10歩先をいく」を口癖になんとか突破口を見つけていきます。
自分だけ、あるいは妻と二人だけだったなら
もっと逃げやすかったのに見る側は思ってしまいそうなのが、
どうしても娘を生かすことを中心にしないといけないからです。
襲撃された屋上から隣のビルに飛び移ることを決意するものの、
大人はともかく子供の脚力では飛び移れない距離。
妻アニー(レイク・ベル)を強引に説得して、
娘をベルトで縛って投げるという始末。
極限の状況ゆえ選択肢なんてないでしょうが、
普通じゃできません…。
それ以降も死体の下に隠れるわ、
尿意をもようした娘にその場で用を足させるわ、
「これが生き延びるということか…」と思わせる極限の状況と判断の連続。
娘ちゃんはトラウマになっていないだろうかと心配になる…。
そしてクーデター参加者に見つかり、
暴徒が聞きつけて集ってこないようにその男に手をかけることに…。
これ『宇宙戦争』(2005年)のティム・ロビンスのシーンで見たやつだ…。
そして謎の男ハモンド(ピアース・ブロスナン)に助けてもあり
最終的に隣国ベトナムへと逃れることができ、
なんとか家族は助かるのでした…。
というお話なんですけど、
なぜこの国で外国人狩りが行われたのかというと、
ハモンド(ピアース・ブロスナン)の口から語られます。
彼は実はMI6のエージェントで以前からこの国に対して工作をしていました。
途上国であるこの国に対して支援と称した資源の奪取をしようとしていたのです。
自国の資源を欧米に売り渡した政府と欧米に対する暴動だったのです。
つまり、水メジャー カーディフ社から赴任してきた
ジャック(オーウェン・ウィルソン)は完全に当事者。
ホテルに掲げられた横断幕を持って暴徒たちは
ジャック(オーウェン・ウィルソン)”を”探していました。
巻きこれたと思っていたクーデターは完全に当事者で自分こそ標的だったのです。
当初ジャック(オーウェン・ウィルソン)やアニー(レイク・ベル)は
この国に対して「第三世界、いや第四世界ね」とまで言っており、
本当に何も知らずに来ていたのです。
いやー、水資源は大事。
日本も他人事ではないですね(本当に)。
この辺りの話は主人公たちがクーデーターに巻き込まれるという
状況のために用意した設定で、
ホラー系のドゥードル監督のパニック演出は冴え渡るものの、
そこまで有機的に絡んできません。
あくまで「知らない国で言葉の通じない人たちに襲われる」という内容が全てで
これはゾンビ映画などを現実に置き換えたようなものに思えます。
その分、架空の国にしているものの、
言葉の通じない野蛮な国にしても大丈夫という
東南アジアを対等に考えられていない印象がどうしても残りました。
というわけで、
とてもハラハラして楽しめるんだけどあくまでパニック映画であって
ドラマ性や配慮に欠けるのはどうしても否定できない映画でした。
ドキドキハラハラを求める人にはおすすめです。
娘役の一人スターリング・ジェリンズは
この翌年にジャームッシュの『パターソン』(2016年)にちらっと出てますね。




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